ビックカメラ(3048)の株主優待|12年保有で配当が4倍になった記録
私が保有している高配当株51銘柄の中で、取得価額に対する配当利回りがいちばん高いのがビックカメラ(3048)です。その利回りは10.93%。いま買う人の利回りが2.38%であることを考えると、同じ株とは思えない数字です。
特別なことをしたわけではありません。2014年に買って、そのまま持っていただけです。この記事では、12年持つあいだに配当がどう変わり、株主優待をどう使ってきたかを、実際の数字で残しておきます。
※本記事は私個人の保有記録であり、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。
ビックカメラ(3048)の企業概要と株主優待
| 会社名 | 株式会社ビックカメラ |
| 業種 | 小売業 |
| 上場金融商品取引所 | 東京証券取引所 プライム市場(銘柄コード 3048) |
| 事業内容 | 家電・パソコン・カメラなどの店舗販売とネット通販。グループにコジマ、ソフマップ |
| 決算期 | 8月期 |
| 株価 | 1,721円(2026年8月時点) |
| 配当金 | 41.00円(2025年8月期実績) |
| 配当金利回り | 2.38%(上記の株価、配当金をもとに算出) |
| 筆者購入時価格 | 375円(簿価利回り10.93%) |
ビックカメラは駅前の大型家電量販店として知られていますが、グループにはコジマとソフマップも入っています。株主優待券はこの3社すべてで使えるので、家電量販店が近くにない地域でも使い道が見つかりやすいのが特徴です。
保有株数ごとの優待内容
株主優待は年2回、2月末日と8月末日の株主に「株主様お買物優待券」(1枚1,000円)が贈られます。
| 保有株数 | 2月末日基準 | 8月末日基準 | 年間合計 |
|---|---|---|---|
| 100株以上 | 2,000円分 | 1,000円分 | 3,000円分 |
| 500株以上 | 3,000円分 | 2,000円分 | 5,000円分 |
| 1,000株以上 | 5,000円分 | 5,000円分 | 10,000円分 |
| 10,000株以上 | 25,000円分 | 25,000円分 | 50,000円分 |
この表は長期保有特典を含まない基本の金額です(長期保有特典は次で説明します)。注目したいのは100株と500株で年間2,000円分しか変わらない点です。1,000株にすると一気に年10,000円分になりますが、そこまで買うには2026年8月時点の株価で170万円以上かかります。優待の効率だけを見れば100株がいちばん良いという、優待銘柄によくある形になっています。
長期保有特典がある
ビックカメラには長期保有特典があります。8月末日基準のときだけ、100株以上を継続保有している株主に優待券が追加されます。
| 継続保有期間 | 条件 | 追加される優待券 |
|---|---|---|
| 1年以上 | 半期ベースで連続3回・4回、株主名簿に同一株主番号で記載 | 1,000円分 |
| 2年以上 | 半期ベースで連続5回以上、株主名簿に同一株主番号で記載 | 2,000円分 |
つまり100株を2年以上持ち続けると、年間3,000円分が5,000円分に増えます。私はこの区分に当てはまるので、毎年5,000円分を受け取っています。
「同一株主番号で連続して記録される」という条件があるため、途中で全部売ってしまうとカウントがリセットされます。優待目的なら、少し値上がりしたからといって全株売らないほうがよい銘柄です。
優待の内容は12年間変わっていない
この銘柄で特筆すべきなのは、優待の内容が12年間まったく変わっていないことです。
2014年2月19日に会社が出した「株式分割及び単元株制度の採用に伴う株主優待制度の一部変更に関するお知らせ」を見ると、分割前は「1株以上」で2月末2,000円分・8月末1,000円分、分割後は「100株以上」で同じ金額と書かれています。長期保有特典(1年以上で1,000円分、2年以上で2,000円分)も、分割前から同じ条件で存在していました。この開示には「実質的な贈呈基準に変更はありません」と明記されています。
つまり2014年から2026年まで、金額も条件も据え置きです。株主優待は企業の裁量で決まるものなので、これは決して当たり前ではありません。
実際、私が同じ時期に買ったアトム(7412)は、2回の改悪で優待が当初の4分の1になりました。優待は「変わらないもの」ではありません。ビックカメラは変わらなかった側であって、それは結果論です。優待が続く前提で買わないという点は、どの優待銘柄でも同じだと思っています。
優待券はいつ届くのか、どこで使えるのか
優待券が届くのは、基準日から2〜3ヶ月後です。
- 2月末日基準 → 5月ごろ発送
- 8月末日基準 → 11月ごろ発送
使えるのはビックカメラ、コジマ、ソフマップの店舗と、それぞれのネットショップです。詳しい条件はビックカメラ公式サイトの株主優待制度のページで確認できます。
家電量販店の優待券というと「大きな買い物のときにしか使えない」と思われがちですが、実際はそんなことはありません。電池、プリンターのインク、電球、洗剤、飲料、食品、コンタクトレンズの洗浄液あたりまで、日用品がひととおり置いてあります。
年5,000円分という金額も、使い切りやすさにちょうど良いと感じています。金額が大きすぎると「何を買うか」を考える負担が出てきますが、5,000円なら日用品のまとめ買いで無理なく消化できます。
【重要】優待券で払った分にはポイントが付かない
これは12年使ってきていちばん大事だと思っている注意点です。あまり書かれていないので、ここに残しておきます。
ビックカメラでは、購入額に応じてポイントカードにポイントが貯まります。還元率は商品によって違いますが、家電なら10%前後が目安です。ところが、優待券で支払った分は、このポイント還元の計算から外れます。
つまり、ポイント還元率の高い商品に優待券を使うと、本来もらえたはずのポイントを取り逃がすことになります。1,000円分の優待券で還元率10%の家電を買えば、100円分のポイントが消えます。優待券の価値が1,000円ではなく900円になってしまう、という言い方もできます。
そこで私は、もともとポイント還元率が低いものに優待券を使うようにしています。
- 食品・飲料:もともと還元率が低いので、優待券で払っても失うポイントがほとんどない
- ポイント付与率が低く設定されているブランドの商品:メーカー側の事情で還元率が抑えられているものは、優待券を使っても損が出にくい
- 逆に、還元率10%の家電はポイントを貯めるために現金やカードで買う
この使い分けをするかどうかで、同じ5,000円分の優待券でも実際の価値が変わります。せっかく年5,000円分もらえるのですから、還元率の低いところに充てて、ポイントは別で貯めるほうが得です。
なお還元率は商品やタイミングによって変わります。買う前に値札のポイント表示を確認して、どちらで払うか決めるのが確実です。
銘柄購入理由|配当ではなく、優待利回りの高さで買った
買ったのは2014年2月26日。株主優待のある銘柄を買い集めていた時期でした。
はっきり書いておくと、この銘柄を配当目的で買ってはいません。当時の配当は年10円ほどで、取得単価375円に対する配当利回りは2.67%。高配当株と呼べる水準ではありませんでした。
目当ては株主優待です。そして当時のビックカメラは、優待利回りが非常に高い銘柄として、あちこちで紹介されていました。取得単価375円で計算すると、その理由がはっきりします。
| 項目 | 1株あたりの価値 | 取得単価375円に対する利回り |
|---|---|---|
| 配当(当時 年10円) | 10円 | 2.67% |
| 優待(100株・基本のみ) 2月末2,000円分+8月末1,000円分=年3,000円分 | 30円相当 | 8.00% |
| 優待(100株・2年以上保有) 上記3,000円分+長期保有特典2,000円分=年5,000円分 | 50円相当 | 13.33% |
| 配当+優待(2年目以降) | 60円相当 | 16.00% |
※いずれも100株を保有した場合の金額です。年3,000円分を100株で割ると1株あたり30円相当、年5,000円分なら50円相当となり、これを取得単価375円で割って利回りを出しています。
配当だけを見れば2.67%の平凡な銘柄です。ところが優待を足すと、2年持てば実質16%。配当の6倍の価値が優待から出ていたことになります。当時「優待銘柄といえばビックカメラ」と言われていたのは、この数字があったからでした。
もうひとつ、買った日付についても書いておきます。ビックカメラは2014年3月1日付で1株を100株に分割し、同時に単元株制度(100株単位)を採用しました。私が買ったのはその権利落ち直後で、株価の表示が1株375円に切り替わったタイミングでした。
ただし、これで安く買えるようになったわけではありません。分割前は1株単位で売買でき、1株がおよそ37,500円。分割後は100株単位になり、100株でおよそ37,500円です。旧1株=新100株なので、必要な金額は変わっていません。単位の見え方が変わっただけです。
配当は12年で4倍になった(ただし減配も経験している)
この銘柄でいちばん変わったのは配当です。分割後の水準で並べると、次のようになります。
| 決算期 | 1株配当 | 取得単価375円に対する利回り |
|---|---|---|
| 2015年8月期 | 10円 | 2.67% |
| 2016〜2017年8月期 | 12円 | 3.20% |
| 2018〜2019年8月期 | 20円 | 5.33% |
| 2020年8月期 | 13円 | 3.47% |
| 2021〜2023年8月期 | 15円 | 4.00% |
| 2024年8月期 | 33円 | 8.80% |
| 2025年8月期 | 41円 | 10.93% |
| 2026年8月期(会社予想) | 43円 | 11.47% |
10円から41円へ、12年で約4倍です。株を1株も買い増していないのに、取得単価に対する利回りは2.67%から10.93%になりました。
2020年には減配もしている
右肩上がりの話に見えますが、途中で減配もしています。2019年8月期の20円から、2020年8月期は13円へ。コロナ禍で店舗の休業や来店客の減少があった時期です。
その後も15円が3年続き、2019年の水準(20円)に戻るまで4年かかりました。「持っていれば毎年増えていく」という銘柄ではありません。実店舗を持つ小売業なので、景気や人の動きの影響をはっきり受けます。
それでも売らずに済んだのは、優待券が毎年届いていたからだと思います。配当が13円に減った年も優待券は変わらず届いていました。配当と優待の両方があると、片方が悪くなっても保有を続けやすいというのは、この時期に実感したことです。
実質利回りはどれくらいか
配当と優待を合わせた「実質利回り」を、いま買う場合と、12年前に買った場合の両方で計算してみます。
いま購入した場合(100株)
2026年8月時点の株価1,721円で100株買うと、必要な金額は172,100円です。
| 項目 | 年間 | 利回り |
|---|---|---|
| 配当(2025年8月期実績41円×100株) | 4,100円 | 2.38% |
| 優待(100株・初年度/長期特典なし) | 3,000円分 | 1.74% |
| 合計(初年度) | 7,100円 | 4.13% |
| 優待(100株・2年以上保有/長期特典あり) | 5,000円分 | 2.91% |
| 合計(2年目以降) | 9,100円 | 5.29% |
配当だけなら2.38%と平凡ですが、優待を加えて2年以上持てば5.29%になります。優待券を確実に使い切れる人にとっては、いまから買っても十分に成立する水準だと思います。
簿価ベース(2014年に買った場合)
一方、取得単価375円で計算するとこうなります。
| 項目 | 取得単価375円に対する利回り |
|---|---|
| 配当(41円) | 10.93% |
| 優待(100株・2年以上保有) 年3,000円分+長期保有特典2,000円分=年5,000円分/1株あたり50円相当 | 13.33% |
| 合計 | 24.27% |
同じ銘柄なのに、いま買う人の5.29%に対して24.27%。差は4.6倍です。何か特別な運用をしたわけではなく、単に買った時期が違うだけです。
12年でもらった配当と優待
これまでに受け取った配当を1株あたりで合計すると231円。取得単価375円に対して約62%にあたります。
優待については、現行制度の最低ライン(年3,000円分)で12年分を単純計算すると36,000円分。取得価額に対して約96%です。長期保有特典を含めればこれを上回ります。
※過去の優待内容が現在と同じだった保証はないため、あくまで現行水準での試算です。
配当と優待を合わせると、投じた金額の1.5倍以上をすでに受け取っている計算になります。そのうえで株価は375円から1,721円へ、約4.6倍になっています。
12年保有してわかったこと
① 高配当株は「買う」だけでなく「育つ」ことがある
買った当時のビックカメラは利回り2.7%で、高配当株ではありませんでした。それが12年後には10.93%になっています。
高配当株を探すとき、つい「いま利回りが高い銘柄」だけを見てしまいます。しかし利回りが低くても、増配を続ける会社を長く持てば、自分にとっての利回りは上がっていきます。買った瞬間の利回りは、その銘柄の最終的な成績とは別物だ、というのがこの12年で一番はっきりしたことです。
② 優待は「使い切れる金額かどうか」で決まる
優待の価値は、券面の金額ではなく実際に使い切れた金額です。
ビックカメラの年5,000円分が使いやすいのは、家電だけでなく日用品にも使えるからです。もし「テレビや冷蔵庫にしか使えない」券だったら、12年間ずっと使い切ることはできませんでした。生活の中で自然に消化できる金額と使い道であることが、優待銘柄を長く持てるかどうかを分けます。
③ 減配した年に売らなかったことが結果を分けた
2020年に配当が20円から13円へ減ったとき、売るという選択肢もありました。もしあのとき売っていれば、その後の33円・41円という増配は受け取れていません。
とはいえ「減配しても持ち続けるべき」と言いたいわけではありません。あのとき売らなかったのは、優待券が変わらず届いていて、生活の中でその価値を実感できていたからです。数字だけを見ていたら、たぶん売っていたと思います。
いま購入を検討する人へ:チェックポイント5つ
1. 近くにビックカメラ・コジマ・ソフマップがあるか
ネットショップでも使えますが、日用品をまとめ買いするなら店舗のほうが消化しやすいです。3社のどれかが生活圏にあるかどうかで、優待の実用性は大きく変わります。
2. 年3,000〜5,000円分を毎年使い切れるか
使い切れなければ、実質利回りは配当の2.38%だけになります。優待込みの5.29%という数字は「毎年きちんと使い切る」ことが前提です。あわせて、優待券で払った分にはポイントが付かない点も覚えておいてください(前述)。食品など還元率の低いものに充てるのが、いちばん無駄がありません。
3. 2年以上持ち続けるつもりがあるか
長期保有特典で年間2,000円分が変わります。1年で売ると特典が付かないうえ、途中で全株売るとカウントがリセットされます。短期で売買する前提なら、この銘柄の魅力は半減します。
4. 何株買うか(100株がもっとも効率が良い)
100株で年3,000円分、500株でも年5,000円分です。投資額は5倍になるのに優待は1.7倍にしかなりません。優待目的なら100株、それ以上は配当を目的に判断するのが素直です。
5. 減配の可能性を織り込めるか
2020年に実際に減配しています。実店舗を持つ小売業である以上、景気や人の動きの影響は避けられません。増配が続く前提で買わないことが大事だと思います。
まとめ
- 2014年2月に購入(取得単価375円)。配当目的ではなく優待目的で、当時は配当2.67%+優待13.33%=実質16%の優待銘柄だった
- 優待の内容は12年間まったく変わっていない(2014年2月19日の会社開示で確認)
- 配当は10円→41円と12年で約4倍。取得単価に対する利回りは10.93%に
- ただし2020年には20円→13円の減配も経験している
- 優待は年5,000円分(100株・2年以上保有)。家電と日用品で毎年使い切っている
- 配当と優待を合わせて、すでに投じた金額の1.5倍以上を受け取っている計算
- いま買う場合の実質利回りは初年度4.13%、2年目以降5.29%
12年前の私は、優待券がほしくてこの株を買いました。配当が主役になるとは思っていませんでしたし、株価が4.6倍になるとも考えていませんでした。長く持つと、買った理由とは別のところで報われることがある。この銘柄から学んだのは、そういうことでした。
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