東急不動産HD(3289)|優待目的で買った株が取得利回り13.3%に
高配当株を51銘柄持っていますが、その中でいちばん取得利回りが高い銘柄が、この東急不動産ホールディングス(3289)です。
取得単価360円に対して、いまの年間配当は48円。取得利回りは13.33%になりました。
といっても、高配当を狙って買ったわけではありません。買った理由は東急ハーヴェストクラブに泊まりたかったからです。当時の配当利回りは1%台で、高配当株と呼べるものではありませんでした。
それが13年でこうなった、という記録です。
この記事の要点
- 取得単価360円、いまの株価は1,317.5円で+265.97%(2026年8月時点)
- 年間配当は10円→48円へ11年で4.8倍。取得単価に対する利回りは13.33%
- 買った理由は配当ではなく東急ハーヴェストクラブの優待
- 優待の中身は3回変わった。ハンズの商品交換はなくなり、いまはポイント制
- 会社そのものが伸びている。営業利益は775億円→1,669億円(8年)
- 結論:持ち続けます。ただし「利回り13%だから」ではありません
買った理由|ハーヴェストクラブに泊まりたかった
東急ハーヴェストクラブは、東急不動産が運営している会員制のリゾートホテルです。軽井沢、箱根、京都、那須といった場所にあります。
会員権を買うと数百万円しますが、株主優待を使えば、会員でなくても割引価格で泊まれます。それが目当てでした。
当時の株価は360円。年間配当は10円前後で、利回りにすると1%台です。いま私が高配当株の目安にしている4%には、まったく届いていません。
つまりこの銘柄は、高配当株投資を始めるより前に、優待目的で買ったものです。それがあとから高配当株に化けた、というのが正確なところです。
途中で会社が変わっている
少しややこしい話をします。
私が買ったのは旧・東急不動産(8815)という会社の株でした。それが2013年10月1日に、東急コミュニティー・東急リバブルと一緒になって東急不動産ホールディングス(3289)という持株会社になりました。
旧・東急不動産の株は1株がそのままHDの1株に置き換わっています。そのため取得単価360円は変わりません。
ただし証券会社の画面では、買付日が「2013年10月1日」(統合の日)として記録されています。実際に買ったのはもっと前です。同じように統合を経験した銘柄を持っている方は、画面の買付日が本当の購入日とは限らないので注意してください。
配当は11年で4.8倍になった
HDになってからの年間配当です。
| 決算期 | 年間配当(実績) | 取得単価360円に対する利回り |
|---|---|---|
| 2015年3月期 | 10円 | 2.78% |
| 2018年3月期 | 14.5円 | 4.03% |
| 2020年3月期 | 16円 | 4.44% |
| 2022年3月期 | 17円 | 4.72% |
| 2023年3月期 | 23.5円 | 6.53% |
| 2024年3月期 | 31円 | 8.61% |
| 2025年3月期 | 36.5円 | 10.14% |
| 2026年3月期 | 48円 | 13.33% |
| 2027年3月期(会社予想) | 50円 | 13.89% |

2015年3月期の10円が、2026年3月期には48円。11年で4.8倍です。
特に2023年以降の伸びが大きく、23.5円→31円→36.5円→48円と、毎年のように増えています。会社の増配ペースが上がったのがこの時期でした。
私の月次記事を読み返すと、2024年6月に17円、2025年6月に19.5円、2026年6月に26円と、受け取るたびに前年を上回っていました。一度に大きく増えたのではなく、半期ごとに少しずつ積み上がった形です。
なぜ配当が増えたのか|会社が伸びている
増配の理由は単純で、会社の利益が増えているからです。
| 決算期 | 営業収益 | 営業利益 | EPS | ROE |
|---|---|---|---|---|
| 2018年3月期 | 0.87兆円 | 775億円 | 57.8円 | 7.52% |
| 2021年3月期 | 0.91兆円 | 565億円 | 30.13円 | 3.63% |
| 2024年3月期 | 1.10兆円 | 1,202億円 | 96.4円 | 9.14% |
| 2025年3月期 | 1.15兆円 | 1,408億円 | 108.69円 | 9.43% |
| 2026年3月期 | 1.25兆円 | 1,669億円 | 135.45円 | 10.77% |
| 2027年3月期(会社予想) | 1.40兆円 | 1,900億円 | 140.21円 | 10.98% |
※IRBANKおよび会社の決算資料より
営業利益は8年で775億円→1,669億円と2倍以上。EPS(1株あたり利益)も57.8円→135.45円に増えました。
2021年3月期にいったん落ち込んでいるのはコロナの影響です。リゾート施設やホテルを持っている会社なので、この時期はまともに打撃を受けています。それでも配当は16円のまま据え置き、減配はしませんでした。
配当性向(利益のうち配当に回す割合)を計算すると、2026年3月期は48円÷135.45円で約35%。無理に高い配当を出しているわけではなく、利益が増えたぶんを配っている形です。ここは安心して見ていられる部分だと思っています。
株価は+265.97%になった

※月足(月ごとの値動き)です。2013年9月以前は統合前の旧・東急不動産(8815)の株価です。チャート上部の騰落率は表示期間の月末終値どうしの比較で、本文の取得単価360円に対する損益率とは異なります。
取得単価360円に対して、現在は1,317.5円。+265.97%です。
ただしチャートを見てのとおり、まっすぐ上がったわけではありません。2013年に一度1,000円を超えたあと、2018年〜2022年は500〜700円台で行ったり来たり。10年近く、ほとんど動かない時期がありました。
株価が本格的に動いたのは2023年からです。この間ずっと持っていられたのは、優待でハーヴェストクラブに泊まれていたからだと思います。値動きを見る理由がなかった、というほうが近いかもしれません。
株主優待は3回変わった
制度の詳細は会社の公式サイトにまとまっています。この記事の数字はすべてここで確認したものです。
- 株主優待情報(トップ) … 2つの優待制度の早見表
- 宿泊優待券(ホテルハーヴェスト) … A券・B券の対象施設と優待料金
- 宿泊優待共通券(リゾートホテル、東急ステイ) … ROKU KYOTO・nol・東急ステイなど
- 継続保有株主優遇制度 … ポイント(WELコイン)の条件
この銘柄で実感しているのは、優待の中身は変わるということです。13年持っているあいだに、大きく3回変わりました。
① ハーヴェストクラブの宿泊優待(いまも続いている)
これが買った目的そのもので、いまも使えています。毎年ではありませんが、たまに泊まりに行っています。
東急ハーヴェストクラブは会員制のリゾートホテルです。ただし「会員でないと泊まれない」わけではありません。施設によっては楽天トラベルなどにも部屋が出ていて、会員でなくても普通に予約できます。
では株主優待の何が良いのかというと、料金です。株を持っていると優待料金が適用されて、一般の宿泊料金より安く泊まれます。優待の価値は「泊まれること」ではなく「安く泊まれること」だと考えたほうが正確です。
私が実際に泊まったことがあるのは、伊東と箱根の明神平です。
印象に残っているのは食事でした。優待料金の安さの割に、出てくるものがしっかりしていたというのが正直な感想です。建物や部屋もちゃんとしていて、値段から想像するより良い、という体験でした。
いまの優待料金を見ると、2名以上で1泊1名あたり素泊まりが平日7,700円〜、1泊2食付きで17,600円〜。このクラスの施設としては、やはり安く感じます。
ちなみにこの箱根明神平、いまはハーヴェストではありません。「nol hakone myojindai」という名前に変わり、先ほどの宿泊優待共通券のほうの対象施設になっています。同じ優待でも、施設のブランドや区分が入れ替わることがあるという例です。
ただ、ここで知っておいたほうがいいことがあります。保有している株数によって、泊まれる施設が違います。
宿泊優待券はA券とB券の2種類があり、どちらがもらえるかは持っている株数で決まります。
| 保有株数 | もらえる券 | 半期あたりの枚数 | 泊まれるハーヴェスト |
|---|---|---|---|
| 100株以上 500株未満 | A券 | 1枚 | 8施設 |
| 500株以上 1,000株未満 | B券 | 2枚 | 16施設 |
| 1,000株以上 5,000株未満 | B券 | 4枚 | 16施設 |
| 5,000株以上 | B券 | 8枚 | 16施設 |
A券で泊まれるのは8施設です。鬼怒川、勝浦、天城高原、伊東、浜名湖、斑尾、蓼科アネックス、南紀田辺。
B券になると16施設に増えます。上の8つに加えて、那須、箱根甲子園、旧軽井沢、軽井沢、京都鷹峯、有馬六彩、鬼怒川渓翠、箱根翡翠が入ります。
つまりハーヴェストの中では、那須・箱根・旧軽井沢・軽井沢・京都鷹峯・有馬六彩は500株以上でないと使えません。100株だけ買って「ハーヴェストに泊まれる」と思っていると、行きたかった施設が対象外だった、ということが起こります。
ただし、これとは別に「宿泊優待共通券」という券もあります。こちらは100株以上なら半期に2枚もらえます。
対象は、ROKU KYOTO、旧軽井沢KIKYOキュリオ・コレクション by ヒルトン、nol kyoto sanjo、nol hakone myojindai、パラオ パシフィック リゾート、そして東急ステイ。ハーヴェストではないけれど、京都や旧軽井沢には100株からでも行けます(公式サイトの対象施設一覧)。
優待料金の目安も出ています。2名以上で利用した場合の1名あたりで、素泊まりが平日7,700円〜、1泊2食付きが平日17,600円〜。施設によってはこれより高くなります。
※2026年6月時点の制度です。対象施設・料金・枚数は変更されることがあります。A券・B券それぞれの対象施設と優待料金は、東急不動産HD公式サイト「宿泊優待券(ホテルハーヴェスト)」に一覧があります。購入前に必ず最新の内容をご確認ください。
② ハンズの商品交換(なくなった)
以前は東急ハンズ(現在のハンズ)の商品と交換できる優待がありました。実際に何度か交換してもらっています。
ハンズは2022年に東急不動産HDからカインズへ売却されました。グループ会社でなくなったので、この優待もなくなっています。優待は会社の事業が変われば消えるという、分かりやすい例だと思います。
③ ポイント優待(いまの主役)
直近はポイント制になっていて、東急グループの施設で使える商品券などに交換しています。
この制度は宿泊優待券とは別枠で、500株以上を3年以上持っている株主が対象です。進呈は年1回(6月末頃)。さらに5年を超えて持ち続けている株主には、「長期保有感謝ポイント」として5年に1度、ポイントが1.5倍になります。
※優待の内容は変更されることがあります。進呈ポイントの条件や交換商品は公式サイトの「継続保有株主優遇制度」のページをご確認ください。
いま購入を検討する人へ
私の取得利回りは13.33%ですが、これは360円で買えたからです。いまから買う人の利回りは別物なので、そこは分けて考えてください。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 現在の株価 | 1,317.5円 |
| 100株の購入金額 | 約131,750円 |
| 年間配当(2027年3月期 会社予想) | 50円 |
| いま買った場合の配当利回り | 約3.8% |
| PER(会社予想) | 9.42倍 |
| PBR | 1.03倍 |
| 優待がもらえる株数 | 100株から |
いまの利回りは約3.8%。高配当株として十分な水準ですが、13%ではありません。
見ておきたい点を3つ挙げます。
- 不動産の会社なので、金利の影響を受ける。有利子負債は1.83兆円あります。金利が上がると負担が増える構造です
- 景気の影響も受ける。コロナのときはEPSが半分近くまで落ちました(57.8円→30.13円)。ただし減配はしていません
- 優待は変わる。私はハンズの優待がなくなるのを経験しました。優待だけを理由に買うのは避けたほうがいいと思います
13年持って分かったこと
① 高配当株は「買う」だけでなく「育つ」ことがある
買ったときの利回りは1%台でした。それが13.33%になっています。株価が上がっても、取得単価は変わらないので、増配がそのまま利回りの上昇になります。
ビックカメラ(3048)でも同じことが起きました。長く持てる会社を選ぶことが、結果的に高配当につながるというのは、この2銘柄で実感しています。
② 動かない10年に耐えられるかどうか
株価は2013年から2022年まで、ほぼ横ばいでした。9年間です。
この間に売っていたら、いまの結果はありません。耐えられたのは、我慢したからではなく優待という、値動きと関係のない受け取りがあったからです。配当や優待には、こういう「持ち続けさせてくれる」効果があると思います。
③ 優待目的で買うなら、優待がなくなっても持てるかを考える
ハンズの優待はなくなりました。もし優待だけが理由だったら、そこで売っていたかもしれません。
いまこの株を持ち続けられるのは、配当も出ていて、会社の利益も伸びているからです。優待は「あったら嬉しいもの」くらいの位置づけにしておくのが、結果的に長く持てるコツだと感じています。
結論|持ち続けます
売る予定はありません。理由は3つです。
- 会社の利益が伸びている。営業利益は8年で2倍以上、2027年3月期も増益予想
- 配当性向が約35%と無理をしていない。利益が増えたぶんを配っている
- 優待をいまも使っている。ハーヴェストクラブは実際に泊まりに行っています
考え直すのは、増益が止まって、配当性向を上げることで増配を続けるようになったときです。それは利益ではなく無理から出す配当なので、ジャックス(8584)で見た形と同じになります。
まとめ
優待目的で買った株が、13年で取得利回り13.33%になりました。株価も+265.97%です。
ただ、これは狙ってできたことではありません。高配当を狙って買ったわけではなく、たまたま長く持てる会社だったというのが実際のところです。
もし再現できる部分があるとすれば、値動きと関係なく受け取れるもの(配当・優待)があると、長く持てるという一点だと思います。動かない9年を越えられたのは、それがあったからでした。
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※本記事は筆者個人の投資記録であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の数値は2026年8月時点のもので、その後変動します。株主優待の内容は変更・廃止されることがあります。投資の判断はご自身の責任でお願いします。
