JFLA HD(3069)で-36%|13年持った株から優待も配当も消えた理由

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高配当株を51銘柄持っていますが、その中に配当が1円も出ていない銘柄が2つあります。そのうちの1つが、このJFLAホールディングス(3069)です。

2013年3月に262円で買って、いまは167円。-36.26%です。買った目的だった株主優待も、いまはありません。

ただ、調べていて意外だったのは、この会社の業績はすでに回復しているということでした。それなのに配当は戻っていません。なぜなのかを決算資料まで見にいったら、思っていたのとはまったく違う理由が出てきました。その記録です。

この記事の要点

  • 2013年3月に262円で購入。13年5か月持って、いまは167円で-36.26%(2026年8月時点)
  • 買った目的は株主優待。当時は配当ゼロの会社で、商品券が数回届いていた
  • 2023年に無配へ転落し、同じ年に優待も見送りに。配当を受け取れたのは5年分だけ
  • 業績はすでに回復ずみ。2期連続の黒字で、会社予想も上回って着地している
  • それでも復配しない理由は2つ。過去の赤字の穴が60億円残っていることと、配当は出ているが、受け取っているのが私たち普通株主ではないこと
  • 結論:それでも持ち続けます。ただし「そのうち戻るだろう」とは思っていません

買った時のこと|2013年、外食チェーンの優待目当てで買った

買ったのは2013年3月7日、株価262円でした。当時の社名はJFLAホールディングスではなく、アスラポート・ダイニング。「陳麻家」や「タコベル」「MOMI&TOY’S」といった飲食店を展開していた、外食チェーンの会社です。

買った理由は株主優待でした。配当ではありません。というより、当時のこの会社は配当を1円も出していませんでした。IRBANKで配当の履歴をさかのぼると、2013年3月期から2017年3月期までずっと0円です。

つまり最初から、配当は期待していませんでした。優待の商品券が届くのを楽しみに持っている、という銘柄です。実際、商品券は数回届いていました。

いまの私のポートフォリオは高配当株が中心ですが、この銘柄だけは買った動機がまったく違います。その違いが、後になって効いてくることになります。

一度は良くなった|2017年に初めての配当がついた

買ってから4年半ほど経った2017年8月、会社が「平成30年3月期 配当予想の修正(初配)及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」を出しました。この会社にとって初めての配当です。

金額は1株4円。私の取得単価262円に対すると1.53%で、高配当と呼べる水準ではありません。それでも、優待だけだった銘柄に配当がついたのは素直に嬉しい話でした。

会社の姿もこの頃に大きく変わります。2018年3月に「ジャパン・フード&リカー・アライアンス」という食品会社を完全子会社にし、同年5月に社名をJFLAホールディングスへ変更。外食チェーンから、牛乳・豆乳・味噌・日本酒などをつくる食品メーカーへと軸足を移していきました。

配当4円はその後、2018年3月期から2022年3月期まで5期続きました

そこから何が起きたか|配当も優待も、1年のうちに消えた

転機は2023年です。

2023年3月期、会社は当初4円の配当を予想していました。ところが決算発表と同時に、実績は0円になりました。「特別損失の計上、前期連結実績と当期連結実績の差異及び剰余金の配当(無配)に関するお知らせ」というタイトルの開示です。

そして同じ年の8月10日、今度は「株主優待当面見送りに関するお知らせ」が出ました。私がこの株を買った理由そのものが、なくなった瞬間です。

決定的だったのは、その翌月でした。

2023年9月14日、地域経済活性化支援機構(REVIC)による再生支援が決定したと発表されます。REVICは、国が主導してつくった組織で、経営が苦しくなった会社を立て直すために資金や人を入れる役割を持っています。

平たく言えば、自力での立て直しが難しい状態だったということです。同年10月には臨時株主総会で減資(資本金を減らす手続き)も決議されました。

ところが、業績はもう回復している

ここからが、調べていて意外だった部分です。

決算期売上高営業利益最終損益自己資本比率
2021年3月期696億円-11.9億円-25.6億円17.8%
2022年3月期704億円-7.9億円-18.8億円14.4%
2023年3月期767億円-4.0億円-22.0億円11.6%
2024年3月期679億円+8.2億円-6.2億円15.9%
2025年3月期652億円+13.1億円+6.4億円18.1%
2026年3月期657億円+15.3億円+6.6億円20.4%

※IRBANKおよび会社の決算短信より

2期連続の黒字です。しかも2026年3月期は、会社自身が出していた予想(売上640億円・営業利益13.3億円)を上回って着地しました。会社の説明によると、牛乳・ヨーグルト・豆乳の売上が順調だったことが理由だそうです。

自己資本比率も11.6%から20.4%まで戻り、借入金も減っています。数字だけ見れば、再建は進んでいると言っていい状態です。

それなのに、配当はいまも0円のままです。しかも会社が出している配当予想は、金額ですらなく「未定」と書かれています。

13年の株価はこう動いた

買ってからいまに至るまでの株価です。

JFLAホールディングス(3069)の13年間の株価推移 2013年3月〜2026年8月
JFLAホールディングス(3069)の株価(月足)をもとに筆者作成

※月足(月ごとの値動き)です。チャート上部の騰落率は月末終値同士の比較のため、本文の取得単価262円に対する-36.26%とはわずかに違います。

見てのとおり、ずっと下がり続けたわけではありません。2015年4月には一時1,055円をつけていて、取得単価の約4倍です。優待をもらい続けるつもりで持っていたので売却は考えませんでしたが、結果だけを見れば、ここが手放す機会ではありました。

そして、いちばん目を引くのが2023年8月の急落です。

前月末は327円でした。それが月末には182円1か月で-44.3%です。株主優待の見送りが発表されたのが、この月の8月10日でした。

無配になったこと自体は、その3か月前の決算発表で分かっていました。それでも株価が本当に崩れたのは優待がなくなると発表された月です。優待を目当てに持っていた株主が、私だけではなかったということだと思います。

その翌月にREVICの支援が決まり、株価は170円台へ。そこから3年近く、140円〜180円あたりでほぼ横ばいが続いています。

なぜ配当が戻らないのか|理由は2つあった

① 過去の赤字の穴が、まだ60億円残っている

会社の財務には「利益剰余金」という項目があります。その会社がこれまでに稼いだ利益を積み上げてきた金額のことです。ここがプラスなら「貯金がある」、マイナスなら「過去の赤字の穴が埋まっていない」という意味になります。

JFLAの利益剰余金は、こう推移しています。

決算期利益剰余金
2021年3月期-19.8億円
2023年3月期-67.7億円(いちばん深い時)
2025年3月期-67.2億円
2026年3月期-60.6億円

黒字に戻ったおかげで穴は少しずつ埋まっていますが、まだ60億円のマイナスです。

日本の会社は、原則としてこの穴が埋まらないと配当を出しにくい仕組みになっています。いまの年6.6億円という利益のペースで単純に割り算すると、穴が埋まるまで9年前後かかる計算です。

「業績が戻れば、そのうち配当も戻るだろう」と私はぼんやり思っていました。でも数字で見ると、戻るまでにはまだかなりの距離があるということでした。

② 配当は出ている。ただし、受け取っているのは私たちではない

こちらのほうが、私には衝撃でした。

先ほどのREVICは、支援にあたって2024年1月31日に「A種種類株式」を2,000株、20億円ぶん引き受けています。1株あたり100万円という、私たちが買える普通の株とはまったく別物の株式です。証券取引所には上場していません。

2026年5月13日に会社が出した「剰余金の配当に関するお知らせ」を開くと、配当の欄が2つに分かれていました。

普通株式(私たちの株)A種種類株式(REVIC)
1株あたり配当金0円00銭60,000円
配当金の総額1億2,000万円
配当の原資その他資本剰余金
支払日2026年6月26日

※株式会社JFLAホールディングス「通期連結業績予想と実績との差異及び剰余金の配当に関するお知らせ」(2026年5月13日)より

1株100万円で引き受けた株に対して年6万円ですから、利回りにすると年6%です。しかもこれは2025年3月期にも同額が支払われていて、2年続けて1億2,000万円が出ています

2026年3月期の最終利益は6.6億円でした。つまり稼いだ利益の約18%が、REVICへの配当として先に出ていっている計算になります。その一方で、普通株主の受け取りは4期連続でゼロです。

もうひとつ気づいたことがあります。この優先配当の原資は「その他資本剰余金」と書かれていました。過去の利益ではなく、会社が集めたお金のほうから払われているということです。実際、2024年3月には資本金10億円を減らしてこの枠に振り替える手続きも行われています。利益の穴が埋まっていなくても、こちらの配当は出せる形になっているわけです。

会社は無配の理由をこう説明しています。

「現時点においては財務体質基盤の強化を図ることが最重要であると考えております。このような状況を鑑みまして、当期の普通株式の期末配当につきましては無配とさせていただくことといたしました」

筋は通っています。ただ、普通株主の順番は最後だということが、この資料を読んではっきり分かりました。

13年でどうなったか|数字で振り返る

項目数字
取得単価(2013年3月7日)262円
現在の株価(2026年8月)167円
株価の損益率-36.26%
受け取れた配当(1株あたり累計)20円(4円 × 5期分)
取得単価に対する配当の合計7.6%
配当を足し戻した実質の損益率約-28.6%
株主優待過去に商品券を数回。現在は制度なし

13年5か月持って、配当があったのはそのうち5年だけでした。

同じ時期に買ったビックカメラ(3048)は、12年で配当が4倍になりました。ほぼ同じ長さを持っていて、結果は正反対です。長く持てば報われる、という話ではないのだと実感しています。

この13年で学んだこと

① 優待目的でも、会社の体力は見ておく

優待の中身ばかり見ていて、その会社が優待を続けられる状態にあるかは見ていませんでした。優待は利益から出す「おまけ」なので、業績が苦しくなれば真っ先に削られます。実際この会社は、無配になった年に優待も止めました。

② 無配になったら「なぜ無配なのか」を調べる

これがいちばんの反省です。私は無配になった後、「業績が戻れば復配するだろう」と思ったまま、何年も確認していませんでした

今回きちんと開示資料を読んで、はじめて「利益剰余金がマイナス60億円」「優先株に年1.2億円」という事情を知りました。知っていたら、期待の持ち方は違っていたと思います。

無配になった銘柄を持っている人は、会社のIRページで「剰余金の配当に関するお知らせ」を1度開いてみることをおすすめします。普通株式のほかに別の株式の欄があれば、それは自分より先に配当を受け取る人がいるということです。

③ 1銘柄の失敗で全体が傾かないようにしておく

この銘柄は-36%ですが、51銘柄に分散しているので、ポートフォリオ全体への影響は限定的です。ジャックス(8584)のときと同じで、分散していたから淡々と見ていられるという面はあります。

結論|それでも持ち続けます

調べたうえで、いまのところは売らずに持ち続けます。理由は3つです。

  • 業績は実際に回復している。2期連続の黒字で、会社予想も上回って着地している
  • 株価はすでに解散価値の近くまで下がっている。1株あたりの純資産(BPS)は171.65円で、株価167円はそれを下回っている
  • 利益の穴は、ゆっくりだが埋まっている。いちばん深い-67.7億円から-60.6億円まで戻ってきた

ただし、「そのうち復配するはず」という期待では持っていません復配までは長い道のりだと分かったうえで、いまの株価なら待つ価値があるかもしれない、という判断です。

考え直すのは、次のどちらかが起きたときだと決めました。

  • ふたたび赤字に戻ったとき(利益の穴が埋まる見込みがなくなるため)
  • 優先株の扱いが変わり、普通株主の不利が広がったとき

無配の株を「なんとなく」持ち続けるのは、いちばん避けたい形だと思っています。判断の基準を先に決めておけば、次の決算のときに慌てずにすみます。

まとめ

株主優待が目的で13年持った株から、優待も配当も消えました。株価は-36.26%です。

ただ今回いちばんの収穫は、「無配の理由は、業績とはかぎらない」と知れたことでした。業績が戻っていても、過去の赤字の穴と、先に配当を受け取る株主がいれば、普通株主の順番はなかなか回ってきません。

高配当株を長く持つつもりなら、配当が止まったときに一度、開示資料を開いてみる。そのひと手間だけは、やっておく価値があると思います。

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※本記事は筆者個人の投資記録であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の数値は2026年8月時点のもので、その後変動します。会社の財務や配当に関する制度の説明は概略であり、実際の取り扱いは各社の状況により異なります。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

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大学生の頃に金融投資を知り、社会人になるタイミングで金融投資を始める。インデックス投資を中心に資産を拡大していき、2023年に高配当株投資とFIREを知り、それをきっかけにFIREを目指すべく高配当株投資を始める。 2024年には月平均5万円の配当金を受け取れるようになり、さらなる配当金の増加に向けて尽力中。
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