日本ケアサプライ(2393)の株価が急騰した理由|材料なしで2日連続ストップ高、3年持って+163%になった記録

日本ケアサプライ(2393)で+163% 材料なしで2日連続ストップ高 利回り4.19%で買って3年の記録
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高配当株を51銘柄持っています。2025年9月末から2026年9月末までの1年で、いちばん上がったのが日本ケアサプライ(2393)でした。株価は2,162円から4,400円へ、+103.5%です。

上がり方は急でした。2026年6月8日と9日に2日続けてストップ高になり、3営業日で+61.1%。ところが、会社からは何も発表されていません。

何が起きていたのかを、開示と株価の記録で確かめました。私がこの株を買ったのは2023年8月、利回りが4.19%のときです。

この記事の要点

  • 2023年8月に1,670円で購入。当時の配当70円に対して利回り4.19%
  • 2026年6月8日・9日に2日連続ストップ高。3営業日で2,524円から4,065円へ(+61.1%)
  • 会社の発表はなく、報道も「材料なし」。ふだんの売買高は1日4,000株ほどの銘柄だった
  • 個人投資家のあいだではTOBへの期待などが語られたが、裏付けのある話は見つからなかった
  • 2026年9月末は4,400円。取得単価から+163.5%
  • 配当は年1回、6月に入る。46円から74円(予想)まで増えてきた
  • 取得単価に対する利回りは4.31%。いまの株価に対しては1.64%
  • 急騰のあとも売らずに、持ち続けます

買った時のこと|利回りと業界の安定性で選んだ

買ったのは2023年8月で、取得単価は1,670円です。当時の配当は1株70円だったので、利回りは4.19%でした。

選んだ理由は、利回りと、業界の安定性です。

日本ケアサプライは、福祉用具のレンタル卸の会社です。東証スタンダード市場に上場していて、筆頭株主は三菱商事(議決権の39.38%)、2番目がALSOK(31.26%)です(2026年3月末。出典:支配株主等に関する事項について)。

株価が急騰した3日間|2日連続ストップ高で+61.1%

日本ケアサプライ(2393)の株価チャート 2026年5月から9月 6月8日から2日連続ストップ高で2,524円から4,065円へ
日本ケアサプライの日次の株価(IRBANK)をもとに筆者作成

急騰したのは2026年6月です。前の週の終値からの動きを並べます。

日付終値前日比出来高
6月5日(金)2,524円-0.9%8,900株
6月8日(月)3,025円+19.8%(ストップ高)8,800株
6月9日(火)3,725円+23.1%(ストップ高)49,100株
6月10日(水)4,065円+9.1%449,300株

6月8日と9日は、始値から終値まで同じ値段でした。株探のストップ高銘柄の一覧(6月8日)によると、8日は取引時間中に売買が成立せず、買い注文を残したまま引けています。9日の上げ幅700円は、株価3,000円以上5,000円未満のときの1日の値幅制限いっぱいです(出典:日本取引所グループ「制限値幅」)。

3営業日で2,524円から4,065円へ、+61.1%です。出来高も変わりました。2026年3月から6月5日までの1日平均は約4,150株でしたが、6月10日は449,300株。100倍あまりです。

その後は、6月末が4,295円、8月5日に一時4,630円をつけ、9月末は4,400円でした。急騰の前の水準には戻っていません。

急騰の理由|会社の発表はなかった

結論から書くと、はっきりした理由は確かめられませんでした。調べたことを順に書きます。

会社の開示には、株価が動くような発表がない

急騰の前後に会社が出した開示は、次のとおりです。

  • 5月26日:役員の異動
  • 6月4日:定時株主総会の招集通知
  • 6月11日:独立役員届出書
  • 6月26日:支配株主等に関する事項、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(アップデート)

業績予想の修正、増配、TOB、株式分割といった発表は、この時期には出ていません。

ほかも確かめました。会社の公式サイトのお知らせは、6月1日の営業所移転のあと出ていません。大株主の三菱商事とALSOKの開示にも、日本ケアサプライについての発表は見当たりませんでした(いずれも2026年10月12日に確認)。

報道も「材料なし」

株探の「前日に動いた銘柄」は、6月8日の値動きについて「材料なし、再編思惑などか」と書いています(6月9日の記事)。翌9日の分も、材料がないまま急騰が続いている、という内容でした(6月10日の記事)。

その前の6月3日には、株探の予防医療の関連株を取り上げた特集で、関連銘柄のひとつとして名前が挙がっています。X(旧Twitter)には、この紹介をストップ高の材料として挙げる株式情報の投稿もありました。ただ、特集が出たのは急騰の3営業日前で、これが理由だと確かめられる材料はありません。

個人投資家のあいだで出ていた見方

ブログやYahoo!ファイナンスの掲示板、Xの投稿も読みました。出ていたのは、おもに次の4つです。

  • TOBや完全子会社化への期待。大株主2社で7割を持っているため。私が読んだ範囲では、いちばん多かった見方
  • 「予防医療」「リハビリ」関連のテーマ株として買われた
  • 業績が伸びていて、増配も続いていることが見直された
  • 大口の投資家が買い集めている

どれも推測で、裏付けのある話は見つかりませんでした。6月26日の株主総会のあとには「総会でも説明はなかった」という掲示板の投稿があり、7月に株価が下がった場面では、TOBへの期待がはがれたのではという投稿もありました。2026年10月12日の時点で、TOBなどの発表は出ていません。

確かめられる事実|大株主2社で7割、売買は1日5,000株ほど

理由は分かりませんでしたが、会社自身の資料から、この銘柄の特徴は分かります(出典:資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(アップデート)、2026年6月26日)。

  • 三菱商事とALSOKの2社で、議決権の70.64%を持っている
  • 市場で売買される株の割合(流通株式比率)は26.9%(2026年3月期末)
  • 1日あたりの売買高は、過去3年の平均で5,000株程度。東証スタンダード銘柄の平均は25万株程度

ふだんの売買がこれだけ少ないと、まとまった買いが入ったときに値段が大きく動きます。6月8日は、買いたい人がいても売る人がいないまま、1日が終わりました。

会社は同じ資料で、今後の取り組みとして、最低投資金額の引き下げに向けた検討と、大株主に保有比率の引き下げを働きかけることを挙げています。

業績と配当|3期続けて増収増益、配当は46円から74円へ

業績は伸びています。

決算期売上高純利益1株利益1株配当
2023年3月期259億円15.1億円97.5円70円
2024年3月期286億円15.8億円101.6円70円
2025年3月期320億円17.9億円115.4円70円
2026年3月期349億円22.6億円145.3円72円
2027年3月期(予想)375億円23.0億円148.0円74円

2024年3月期から3期続けて増収増益です。2026年1月30日には、2026年3月期の純利益の予想を19億円から22億円に引き上げていて(通期業績予想の修正に関するお知らせ)、実績はそれを上回りました。2026年7月30日に出た第1四半期も、経常利益が前の年の同じ時期より18.3%増えています。

日本ケアサプライの1株あたり配当の推移 2018年3月期46円から2027年3月期予想74円
日本ケアサプライの配当実績(2027年3月期は会社予想)をもとに筆者作成

配当は、2018年3月期から4期続けて46円でしたが、2022年3月期に60円、2023年3月期に70円へ増え、2026年3月期は72円、2027年3月期は74円の予想です。会社は2025年2月に公表した長期ビジョンで、配当を減らさない累進配当と、DOE(株主資本配当率)6%を下限とする方針を掲げています(出典:剰余金の配当に関するお知らせ、2026年5月12日)。

配当金はいつ入るか

日本ケアサプライの配当は年1回、期末だけです。権利が確定するのは3月末で、入金は6月です。2026年3月期の72円は、効力発生日が2026年6月29日でした。

買ってから受け取った配当は3回です。

入金した月1株あたり配当
2024年6月70円
2025年6月70円
2026年6月72円
合計212円

1株あたり212円で、取得単価1,670円の12.7%にあたります。

利回りは4.31%、いまの株価では1.64%

株価が2倍以上になったので、利回りの見え方が変わりました。

見方計算利回り
買ったとき(2023年8月)70円 ÷ 1,670円4.19%
いまの配当を取得単価で割る72円 ÷ 1,670円4.31%
いまの配当を9月末の株価で割る72円 ÷ 4,400円1.64%

持っている私から見ると、取得単価に対して4.31%の配当が出ている高配当株です。2027年3月期の予想74円なら4.43%になります。一方、これから買う人から見ると、利回りは1.64%です。同じ銘柄でも、いつ買ったかで見え方がまったく違います。

株価の水準を測る指標も上がりました。9月末の株価4,400円で計算すると、PERは29.7倍(2027年3月期の予想1株利益148円)、PBRは3.68倍(2026年3月期末の1株純資産1,197.04円)です。会社の資料では、PERは近年15〜20倍で推移し、2026年3月末のPBRは2.0倍でした。

2倍になった株をどうするか|売らずに持ち続けます

6月の急騰には、その場では気づいていませんでした。売ることも考えていません。

これからも持ち続けます。高配当株として買った銘柄で、いまのところ売る理由がないからです。取得単価に対しては4.31%の配当が出ていて、会社は配当を減らさない方針を掲げています。

ただ、急騰の理由が分からない以上、この株価が続くかどうかも分かりません。株価が元に戻ったとしても、配当が続いているかぎり、持ち続ける理由は変わりません。

まとめ

  • 日本ケアサプライの株価は、2026年6月8日・9日の2日連続ストップ高を含む3営業日で+61.1%上がった
  • 会社の発表はなく、報道も「材料なし」。TOBへの期待などの見方はあったが、裏付けは見つからなかった
  • 大株主2社で議決権の70.64%、1日の売買高は5,000株ほどという、売買の少ない銘柄だった
  • 配当は年1回・6月入金。46円から74円(予想)へ増え、累進配当を掲げている
  • 取得単価に対する利回りは4.31%、9月末の株価に対しては1.64%。売らずに持ち続ける

この記事で参照した開示資料

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※記載の数値は2026年9月末時点のものです。株価と出来高は各日の値(IRBANK)、業績と配当は会社の開示資料をもとにしています。

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ABOUT ME
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大学生の頃に金融投資を知り、社会人になるタイミングで金融投資を始める。インデックス投資を中心に資産を拡大していき、2023年に高配当株投資とFIREを知り、それをきっかけにFIREを目指すべく高配当株投資を始める。 2024年には月平均5万円の配当金を受け取れるようになり、さらなる配当金の増加に向けて尽力中。
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