[2412:ベネフィット・ワン]TOB初体験と学び

よう

突然届いた文書

先週のことなのですが、ポストにやたら分厚い紙が入ったでっかい封筒が届いたなあと思っていたら、「公開買付説明書」と書かれた冊子が届いていました。

[ベネフィット・ワン]公開買付説明書

冊子のPDF版はこちらにありました。(引用元:みずほ証券 TOB案内

そういえば、株式保有していた「2412:ベネフィット・ワン」がTOBされて、エムスリーと第一生命の2者で争っている、というニュースは見かけていたのを思い出しました。

しかし、最終的にどうなったかまで終えていなかったので、突然この冊子が届き、慌てて関連ニュースを調べました。

TOB(株式公開買付)について

投資家なら一度は耳にしたことがある「TOB」。「会社乗っ取り」なんて言葉も聞こえてきて、なんだか怪しい印象を抱いている人もいるかもしれません。

TOBは企業買収や経営権の移行に重要な役割を果たす、れっきとした制度です。次項では、TOBの仕組みや種類、メリット・デメリットについて、解説します。

TOBの仕組み

TOBは株式公開買付(Take Over Bid)」の略で、企業が証券取引所を通さずに、不特定かつ多数の株主から株式を買い付ける手法です。買い付け価格や期間、株式数などを公告し、株主は自由に売却するか、保有し続けるかを選択できます。

TOBには、主に2つの種類があります。

  • 友好的TOB: 買収側と対象企業が事前に合意している場合
  • 敵対的TOB: 買収側と対象企業が事前に合意していない場合

友好的TOBは円満な経営統合を目指すケースが多い一方、敵対的TOBは経営陣の交代などを目的とする場合が多いです。

TOBは細かいルールが多いので、詳細を知りたい方はこちらもご参照ください。
日本M&Aセンター:TOB(株式公開買付け)とは?目的や流れ、企業事例を解説!

TOBのメリット・デメリット

TOBには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 買収側:経営権の取得や事業の迅速な統合が可能
  • 売却側:市場価格よりも高い価格で株式を売却できる

デメリット

  • 買収側:多額の資金が必要
  • 売却側:意図せず経営権が移ってしまう可能性

今回のTOB(ベネフィット・ワン)について

今回のTOBは前述の分類からすると、友好的なTOBで、ベネフィット・ワンは親会社としてパソナグループが51.16%の株式を保有しており、その他の48.84%が一般投資家等の少数株主という形になっています。

今回のTOBは48.84%の少数株主分を以下の条件で買い付ける、というものです。

  • 買付価格:1株当たり2,173円
  • 買付期間:2024年2月9日~3月28日
  • 買付予定数:発行済株式総数の66.67%
  • 担当証券会社:みずほ証券

第一生命は、健康・医療領域への事業拡大を目指しており、ベネフィット・ワンの持つ企業向け福利厚生事業とのシナジー効果を期待し、今回子会社化を決めました。

一方、ベネフィット・ワンは、経営基盤の強化と事業の継続的な成長を目指し、最終的には第一生命HDとの協業を選択しました。

ベネフィット・ワンTOBへの参加見送り理由

この記事を書いている2月28日時点での株価は2,168.5円なので、TOBに参加するのが一番利益が出るのですが、結論から言うと今回TOBへの応募は見送りました。

その理由は以下のとおりです。

  1. TOBへの参加は担当証券会社(みずほ証券)からのみ可能
  2. TOBへ参加する場合は、保有株式をみずほ証券に移管する必要あり
  3. みずほ証券の口座を保有していないため、TOB参加には口座開設と株式移管の手続きが必要

私が保有していたベネフィット・ワンの株式はSBI証券にあったため、②、③の手間を考慮し、TOBに参加せずに市場で売却して処分する、という選択を取りました。

なお、今回はTOBに応募をせずともスクイーズアウト方式が取られ、自動的に第一生命に保有株が買い上げられるということになるのですが、この場合は以下の条件となっています。
スクイーズアウトの詳細を知りたい方は、こちらも合わせてご参照ください。
M&A Capital Partners:M&Aにおけるスクイーズアウトとは?

  • 買付価格:1株当たり2,173円
  • 実施時期:2024年4月~5月頃

買付価格はTOB価格と同じなのですが、実施時期が4月~5月頃となっているため、実際に現金となるまで1~2か月程度を要します。

(買付価格 – 市場価格)が4.5円で、およそ差額が4.5円(0.2%程度)なので、1~2か月現金化を早めるために、今回は4.5円の手数料を払って市場で売却した、ということになります。

どうやら、TOBが決まった株式を市場で買い取り、この差額の4.5円の鞘を抜いている人や会社もいるらしく、確定利益として0.2%が得られるのはそれなりに需要があるらしいです。

今回の学び

保有している株式がTOBになるというのは人生初めての出来事だったので、ニュースとかで見たことはあったけど、実際自分の身に起こるとこういう対応をしなきゃいけないんだなあと非常に勉強になった一件でした。

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当ブログの内容は、あくまでも個人の意見に基づく情報提供であり、投資に関するアドバイスではありません。投資の判断は、ご自身の責任で行うようお願いします。

ABOUT ME
よう
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大学生の頃に金融投資を知り、社会人になるタイミングで金融投資を始める。インデックス投資を中心に資産を拡大していき、2023年に高配当株投資とFIREを知り、それをきっかけにFIREを目指すべく高配当株投資を始める。 2024年には月平均5万円の配当金を受け取れるようになり、さらなる配当金の増加に向けて尽力中。
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